6・5
羊羹に残る歯型に思う死のゆたかに深く蟻ひとついる : 奥田亡羊
〜〜恋すてふ耳鼻男根食ひちぎる

6・4
鰻重を真つ直ぐ伸びてゆく光 : 西村麒麟
〜〜非鱗として国家憲章

6・3
ガラス一枚の外は奈落の深さにて五十階に食む鴨の胸肉 : 久々湊盈子
〜〜ご飯粒にもしも翼があったなら

6・2
茄子きうり実家の住所忘れけり : 中山奈々
〜〜放置されたる古漬け うまっ

6・1
枇杷の實と若者の腕こすれあふ電車疾走せり暁へ : 塚本邦雄
〜〜行為より余韻たのしむぶっきら棒