10・5
口づけは肉と肉との戦いでレモンの味がするはずもなく : 川谷ふじの
〜〜血混じりの痰のむ覚悟昂る夜

10・4
血の音の昂るままに栗打つや : 堀本裕樹
〜〜カフカの城をモンブランする

10・3
肉まんを鋼箱はがねのはこに閉ぢこめて極超短波からみあふみゆ : 都筑直子
〜〜のぞき見で動体視力鍛えけり

10・2
椎茸や人に心のひとつゞつ : 上田信治
〜〜牡牝ちがふわたくしがゐる

10・1
葡萄啖ひうきたる歯ぐき噛みてをり己れの内部(うち)の悪を覚ますと : 塚本邦雄
〜〜交わりて口内炎を攻めあぐる