遭遇一句 12・06〜12・10

1210
マスクきつし銀行のテレビの無音 : 三村凌霄

 

1209
戦術としての無垢、だよ満員の電車を群衆とともに下車する : 中澤系

 

1208
冬けふも居間占むる象気にとめず : 関悦史

 

1207
地下鉄の終点に来てひとりごつまぼろしは死せりこのまぼろし : 斎藤茂吉

 

1206
置かれある情死の天の寒き晴れ : 橋本多佳子