タイム食句 12・16〜12・20

12/20

てのひらにこぼす錠剤つめたけれ鉄塔のなかに沈むオリオン : 山田富士郎  

〜〜還暦を若造と呼ぶ村滅ぶ

 

12/19

吐くたびに寒い体を藻がなびく : 青本柚紀  

〜〜夜店の金魚居座り五年

 

12/18

四十になっても抱くかと問われつつお好み焼にタレを塗る刷毛 : 吉川宏志  

〜〜たこ焼きに二本の楊枝物理なり

 

12/17

粕汁にあたたまりゆく命あり : 石川柱郎  

〜〜手切りこんにゃく勇気をもらう

 

12/16

アボカドの皮と果肉のさかひ目にけふオーロラのごとき色見ゆ : 花山多佳子  

〜〜剥き出しの怒り熱量無限大