うどんから差別されたが故の 逞しさ、美しさ

日帰り旅、
二時間あまり汽車にゆられ、
地方の美術館の少しとんがった現代アートをみて、
ちょっと疲れてお酒を一杯、お蕎麦をたぐる。

香川県が<うどん県>と名付けた失政の責任は大きい。
そのために蕎麦屋が隠されてしまった。
しかし、追いやられたことで蕎麦好きは
いっそう数寄者の密度が高まったようだ。
もりそばをたぐる音がすごい。
あちこちのテーブルから協奏曲のように響いてくる。
うどんから差別されたが故の
逞しさ、美しさのたたずまいに感動。

桜えびと牛蒡のかき揚げ、熱いかけそばで。
お酒は讃岐地酒、川鶴をいただく。

程よい酔いにまかせ、
二時間ほどのうたた寝で旅は終わる。