「チョンキンマンションの ボスは知っている」

「チョンキンマンションの
ボスは知っている」 小川さやか・著

入力すれば<重慶大厦>、すぐでる。
香港の複合ビル、ゲストハウスに集まる
タンザニア人たちの価値観と経済システム。
互いに信頼しない信頼、助け合わない助け合い。
矛盾、雑然、放埓、気まま、ええ加減、なのに
逞しく全肯定的な空気。
ケッタイで不可思議でたまらん。

タンザニアは極めて良質の胡麻の産地。
エチオピア、スーダンと合わせてこのエリアには
収穫期には毎日欠かさず胡麻のバザールが
開かれ、現地には数度買付けに行ったことがある。
それもあってこの調査報告はめっちゃ面白かった。

今回の大宅ノンフィクション賞候補には、
『聖なるズー』
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。
いずれも書き手は女性。ノンフィクションのテーマは
社会問題・冒険・スポーツが主流だが、
最近はジャンルが思わぬ空域に広がって、
ええこっちゃ。