水原弘や黛ジュン。エッセイ俎上の人選がニクイ。酒の 話で”たたみじらす”。クセ者やから、しらみを潰し熱 燗にいれる悪ふざけかと思ったが<たたみいわし>のこ とだとわかる。これは大好物。手あぶりで醤油ひと垂し。
塩田千春展 : <精神の呼吸>
<眠っている間に>広いフロアに病院ベッドが20。そ の空間全方位に黒い毛糸がはりめぐらされている。優し い視線になれば繭を紡ぐようだが神経系統を悪意に絡め 取られた精神世界が現れてくる。赤い毛糸作品も刺激的。
”猿の惑星”状態の日本国
古座川の谷さん、石見の月山さん。ご両人から猟師の暮 らしを聞きつつ若月の酒盛り。猪、鹿、狸は年年増える ばかり。猟銃規制が厳しいので猟師の若手は減る一方。 国が現状放置すれば、日本全土を猿が占領する日は間近。 (古座川・
吟醸そば : 植田塾
手打ち蕎麦教室を開いた『植田塾』でお昼30食限定で 500円蕎麦が食べられる。名付けて<吟醸そば>。吟 醸酒の精米と同様に玄蕎麦の中心部分の粉で打つ。粗挽 きの香りに対してのど越しの蕎麦。打ち手の人柄がでる。  
林住期 : インドの人生観
2千年前のインド人の人生観。第3ステージのライフス タイル。主人がホッと家を出る。旅に出て、自分がいま までやりたいと思ってもやれなかったことをやる。森に 入って瞑想するとか、バイオリン片手に都市を遍歴とか。 (山折哲雄
京の持ち味、浪速の食い味 : 上野修三
持ち味は食材が持っている固有の味。食い味は食べ手の 各々の味覚にまで合わさんとする味。全国どこからの商 客にも納得のいく味に。持ち味を生かしつつ、良質のだ しによってまったりとした深みある食い味を完成させた。 (なにわ大
よし庵 : 枚方
蕎麦打ちにいれる黒すり胡麻を買いにきてくれる『よし や』。ご主人はそば粉の製造販売だが奥様が手打ちの蕎 麦屋を。はやりの気取った店でなく定食屋風情が泣かせ ます。すぐ横で挽きたての粉を手打ち。隠れすぎた名店。 (よし庵)
『日本の「伝統」食』 : 森枝卓士
「You are what you eat.アナタとはアナタが食べるも の。そんな言葉がある。私たちは食べたものでできあが っている。血も肉も骨も。そう思うと・・美食でなくて いいから、真っ当な食を」。おだしの店『うね乃
富士登山 : 私の履歴書
電通顧問・成田豊の連載。先輩吉田哲学をひく。「登り はじめたら決して頂上を見上げてはならぬ。周りも見る な。足元だけを見て進めば、いつの間にか頂上に着く。 もし見るなら太陽を仰げ。俺はあそこまで登るのだと」。 (日経連載
『怖い絵』 : カルパッチョ
中野京子が名画の背景を読み解く。歴史の表では語られ ない秘話が続々。最初のドガ<踊り子>から毒気十分。 同じタイトル、久世光彦の短編読後のゾクゾク感に酷似。 カルパッチョの語源となる画家の存在をこの本で知った。