Archive for category 短歌・俳句周辺

『俳人風狂列伝』 石川桂郎

『俳人風狂列伝』 石川桂郎

テクスト論は、俳句なら俳句17音だけを享受する。そこに作者
はいらない。ロラン・バルトの提言ですね。短歌を読み解く際に、
作者の年齢、性別、犯罪者であろうとLGBTであろうと、一切関係
ない。塚本邦雄はつねにそう主張しました。

分け入つても分け入つても青い山
山頭火に瞬殺された。あなたならどうする?もっとほかの俳句を
知りたい。いろんなテクストを渉猟する。それから。
作者は、どんな人?どんな境遇?最期は?
放哉にも同様の興味はわきますね。自由律の俳人には特に作者自
身の背景から句の奥を読み解きたい芸術的好奇心がかきたてられま
す。

俳句と風狂は合っている。作品以上の風狂の生き様をみたい。そ
んな衝動をこの列伝はみごとな距離感で作者にきわめて近い場で端
正に寄り添って紹介している。
放哉、山頭火、三鬼、東洋城、知っているにはこの四人まで。全
部で11人。しかしその三鬼でさえ、抱いてきたイメージとは大き
く違っていました。三鬼の場合はほかと逆で、すさまじくアナーキ
ーな人生と思いきや、意外ときちんとした歯科医でありました。

夜濯ぎの一夜妻待つ古雑誌 : 田尻得次郎
冬を生き人の遺品を身に纏ふ : 岩田昌寿
黛を濃うせよ草は芳しき : 松根東洋城
秋風に言ふこともなく別れけり : 相良万吉
藁巻きこむ牛の厚舌走り梅雨 : 阿部浪漫子

【 タイム食句】 06・11〜06・15

6・15
老いてゆく記憶にまろく明かるみて世界を覆ふ夏蜜柑在る : 紀野恵
〜〜親指をずぶり突き立て地球割る

6・14
食ふ肉と滅びあふ身ぞ空のあを : 三橋敏雄
〜〜骨の周りの部位から腐る

6・13
魚捌き塵出し終へて午後よりは一人こもりて三鬼を読めり : 志垣澄幸
〜〜歯科医師でおんな好きいらぬ情報

6・12
こぼれがちなビールの泡よサヨナラ勝ち : 遠山陽子
〜〜かわらず君は敗戦投手

6・11
「お〜いお茶」並び立ちゐる会議室選び買ひしは男にあらむ : 村上和子
〜〜会社尻拭い家庭皿洗い男子

【 タイム食句】 06・06〜06・10

6・10
真っ当すぎるぜ鰹のお魚面(さかなづら) : 鈴木明
〜〜散髪屋きて穴子にされた

6・9
舌を刺ししかの毒薬の酸(す)ゆにがき味をこのごろまた思ひいづ : 石牟礼道子
〜〜ドンファンは末期の味に覚醒す

6・8
水飯やみめよき貧乏神侍り : 関悦史
〜〜漬物切るに裸エプロン

6・7
その味のわからぬほどに少しづつ楊枝に差して試食せよとふ : 香川ヒサ
〜〜迷店のフードコートに阿呆の列

6・6
尾をふりて首のせあへり冷し豚 : 三条羽村
〜〜糞を食わせる拷問に耐え

地下の炎帝

でかい。
高田治 @国展

天王寺美術館地下の炎帝に見おろされた後は、
さっぱりした蕎麦が食いたくなった。

梅しそ。
冷かけのつもりで選んだけど、
ここは、もり蕎麦に乗せてるだけで、
早とちりに気がつく。
蕎麦前は、花巴(奈良)
結局、
蕎麦打ちもお酒も
美味しくて、満足満足。

【 タイム食句】 06・01〜06・05

6・5
羊羹に残る歯型に思う死のゆたかに深く蟻ひとついる : 奥田亡羊
〜〜恋すてふ耳鼻男根食ひちぎる

6・4
鰻重を真つ直ぐ伸びてゆく光 : 西村麒麟
〜〜非鱗として国家憲章

6・3
ガラス一枚の外は奈落の深さにて五十階に食む鴨の胸肉 : 久々湊盈子
〜〜ご飯粒にもしも翼があったなら

6・2
茄子きうり実家の住所忘れけり : 中山奈々
〜〜放置されたる古漬け うまっ

6・1
枇杷の實と若者の腕こすれあふ電車疾走せり暁へ : 塚本邦雄
〜〜行為より余韻たのしむぶっきら棒

歌仙の反省会は蕎麦屋に限る

歌仙の反省会は蕎麦屋に限る。
蕎麦前は山形産の冷やし玉こんにゃく。
お酒は秀鳳のにごり。もちろん山形産。
太打ちと細打ちの二枚で〆。

ふたこぶに月光を溜め駱駝往く :酔
ソルトロードを素の風渡る   :隗
お通しの枝豆からのお説教   :透

・ラブホテル一匹の蚊にふたりの血 : 飛白

食句塾 6月例会 席題大会

・カントクノシジデトマトヲツブシマス : 主水
時事ネタとビジュアルの衝撃でマイナス地獄選が集中。

・ラブホテル一匹の蚊にふたりの血 : 飛白
ラブホテルにはもはや陰湿でマイナーイメージは無いらしい。
都築響一の反美術コンセプトも滲ませながら昭和郷愁の
レトロ感覚を刺激するとか。そうか。。。
四人の血、のほうがいいという意見もあり。

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次回 7月例会
日程:7・1(第1日曜)
兼題: 麦茶 ・ 尻

★7月は夏号の季刊誌
原稿は6月の〆切日厳守で。
批評会:7・15(第3日曜)

【 タイム食句】 05・26〜05・31

5・31
青梅雨や部屋がまるごと正露丸 : 小林苑を
〜〜大声だせば玻璃にひび割れ

5・30
階段の底までくだり昼くらきコーヒー店に来てまづ眠る : 篠弘
〜〜半眼のストレス溜めた仁王たち

5・29
白南風に奥歯の見ゆるまであくび : 山西雅子
〜〜歯槽膿漏国会の凪

5・28
ローソンにだまって寄ればついて来る べつべつに買う男梅グミ : 斉藤斎藤
〜〜DVに潜むSM AIで

5・27
水母また骨を探してただよへり : 岩淵喜代子
〜〜ビニール傘は使い捨てです

5・26
ほんのりと火星の寄せて来る夕べちりめんじゃこをサラダに降らす : 岩尾淳子
〜〜友達にエイリアンならなれるけど

【 タイム食句】 05・21〜05・25

5・25
香水やすこし酔ひたる京言葉 : 伊庭心猿
〜〜かんにんしてといけずのべろが

5・24
連れ出されデニーズの隅に座らされ辛いパスタをくわされた俺 : 千葉聡
〜〜7・3は思い出として割り勘に

5・23
夢のやうなバナナの当り年と聞く : 上田信治
〜〜ヴィンテージもの発酵腐れ

5・22
やすみしし我が大君の食す国は大和もここも同じとぞ思ふ : 大伴旅人
〜〜つかさどるサル目ヒト科暗愚なり

5・21
南風(みなみ)吹くカレーライスに海と陸 : 櫂未知子
〜〜食えない自慢らっきょ緋緋猿

【 タイム食句】 05・16〜05・20

5・20
三年ぶりに家にかえれば父親はおののののろとうがひをしており : 本多真弓
〜〜花粉症ある世代には麗しく

5・19
赤いたすきをかけて台所がせまい : 尾崎放哉
〜〜厨房男子缶ビール女子

5・18
朝食の卓に日は射し詩人の血わが静脈にこそ流るるを : 藤原龍一郎
〜〜目覚ましに匂い尖るる新樹かな

5・17
天道虫飛んでしつかり朝御飯 : 小林苑を
〜〜血糖値すぐ跳ねて戻らず

5・16
カフェラテの泡にたゆたう葉脈をひとくちごとに引きのばしおり : 鯨井可菜子
〜〜あっかんべえの舌乗りこなすサーファー


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