【 タイム食句】 06・01〜06・05

6・5
この国の死後の奥行き口開けし牛の骸をハエは巡れり : 佐佐木頼綱
〜〜低温調理誤魔化しに限度あり

6・4
青梅や餓鬼大将が肌ぬいで : 一茶
〜〜青痣の胸拭ぐうてピンク

6・3
冷蔵庫の内らに並ぶ生ま卵とほき木星と照り合ひにけり : 高野公彦
〜〜立ち食いのそうめん流し銀河前

6・2
歯磨きの大き塩粒夏に入る : 金子敦
〜〜ライオン悩む虫喰い犬歯

6・1
はつなつと夏とのあはひ韻律のごとく檸檬の創現るるかな : 塚本邦雄
〜〜リミックスしつつかさぶた式部泣く