カテゴリー: セサミ日記

０３・３１ 額に傷もちゐる人とすれちがひわが頬の傷めざめたりけり　：　伊藤一彦   ０３・３０ てのひらの色ともちがふさくらかな　：　高柳克弘   ０３・２９ 摘まるるものと花はもとよりあきらめて中空

2027/03/31 鶯や餅に糞する縁の先　：　芭蕉 〜『葛の松原』   2027/03/30 死が見ゆるとはなにごとぞ花山椒　：　斎藤玄   2027/03/29 二人がしじみになるなんてかちつと音

2026/03/31 窓の外では通り雨　店により大きく異なるのがチーズナン　：　吉田恭大   2026/03/30 囀りの零るる卓を拭いてをり　：　川島葵   2026/03/29 牛乳のあふれるよう

０３・３１ 花にうき世我酒白く食黒し　：　芭蕉 〜『虚栗』   ０３・３０ そのかみにわれは怖れき悪食のきはまりてつひに花食ふ魚を　：　小池光   ０３・２９ 小麦粉の余りを菓子に初燕　：　小野あらた

2027/03/31 山又山山桜又山桜　：　阿波野青畝   2027/03/30 押し合うて海を桜のこゑわたる　：　川崎展宏   2027/03/29 万の春瞬きもせず土偶　：　マブソン青眼 &nbs

2026/03/31 だとしてもつづけてほしい誰一人幸せにしない夜更けの手品　：　魚村晋太郎   2026/03/30 不健全図書を世に出しあたたかし　：　松本てふこ   2026/03/29 あなた

０３・３１ 支那海を大蔵教は黄沙追ふ　：　大関靖博   ０３・３０ 雅びなる三苫薫といふ名前ひだりより敵を切り裂くときの　：　大辻隆弘   ０３・２９ またせうぞ午後の花降る陣地取　：　摂津幸彦 &n

今中博之『悪人力』 「もっともよく生きた人は、 もっとも悪人と善人の間を揺れ動いた人」 繰り返される善と悪のどんでん返し裏返しは サスペンスのようだ。 常識的な宗教、福祉、デザイン の領域を超えて 惹き込まれていく。 ス

2027/03/25 留守電に花見の場所を入れておく　：　仁平勝   2027/03/24 花疲椅子はしづかな四肢をもち　：　小山玄黙   2027/03/23 人をさがしてと報じてゐる遅日　：　鴇田