06/15 シルレア紀の地層は杳きそのかみを海の蠍の我も棲みけむ : 明石海人 06/14 ベランダにいつもの人や今日は白 : 西生ゆかり 06/13 グミ ところにより雨 個包装の感情として走る一論車は深い青 : 大前
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【遊行一句 −2023】2023/06/11~06/15
06/15 蛍とび疑ひぶかき親の箸 : 飯島晴子 06/14 夏草の 思ひしなえて 偲ふらむ 妹が門見む なびけこの山 : 柿本人麻呂 〜『万葉集』 06/13 明け方や熱帯魚から咀嚼音 : 遠藤容代 06/12 ふらん
【 タイム食句 ー2023 】2023/06/11~06/15
06/15 ぎんいろの卵を二つうすあをき便器に落とし夏鳥われは : 岡井隆 06/14 ずぶ濡れのまま泡盛を頼みけり : 黒岩徳将 06/13 海を背に少し歩いて落ち合った家族とまずはお蕎麦を
【 アートな一句 】2023/06/06~06/10
06/10 夏夕べ弦にふれれば鳴り出しぬ : 浦川聡子 06/09 暮れてきて八百屋がおろすシャッターにあらわれる青色のグラフィティ : 阿波野巧也 06/08 蛾の迷ふ白き楽譜をめくりゐる : 平畑静塔 06/07 遠
【遊行一句 −2023】2023/06/06~06/10
06/10 河口から遡っても会えなくて潮の匂いで錆びてゆく腕 : 吉田恭大 06/09 パワースポットなめくぢが睦みゐる : 北大路翼 06/08 首筋にマッサージ器を当てるときだけ思い浮かぶ夏の空港 :
【 タイム食句 ー2023 】2023/06/06~06/10
06/10 鯵というより鯖の匂いの黒子 : 中山奈々 06/09 窓磨き鍋を磨けばほんたうにするべき仕事はなになる雀よ : 川野里子 06/08 莢豌豆ひらがな覚え始めけり : 川里隆 06/07 雨垂れの音飲むやうにふ
【 アートな一句 】2023/06/01~06/05
06/05 犬のごと日に日に老ゆるモナリザやさあれヨハネが變若(をち)かへりゆく : 水原紫苑 06/04 危な絵のなかにも吊られ蛍籠 : 野中亮介 06/03 たれもかれも心尽くせり美しき廃墟を成さむための築城 : 徳
【遊行一句 −2023】2023/06/01~06/05
06/05 無尽なる大阪の地下梅雨に入る : 冨田拓也 06/04 校正しついに消しおり<南京>を虫の体液ほどのインクで : 吉川宏志 06/03 わが恋は人とる沼の花菖蒲 : 泉鏡花 06/02 縦書きの国に生まれて雨
【 タイム食句 ー2023 】2023/06/01~06/05
06/05 脳画像の白玉を棒で指しながら医師は告げたり「余命二か月」 : 笹公人 06/04 雨の日は合成できぬアミノ酸 : 小池正博 06/03 さらさらさらさらさらさらさらさらさらさら牛が
【 アートな一句 】2023/05/26~05/31
05/31 冷奴ミロが崩せばミロになる : 桃化 05/30 踊る埴輪のいくつ砕きて鎮め来し、自画像は夜の石に彫りて : 前登志夫 05/29 白馬を少女瀆れて下りにけむ : 西東三鬼 05/28 ティンパニの中に入れら