食句塾。 ・地下室に過敏性柿の種ふたつ : 菜摘 梶井基次郎の<檸檬>は爆弾。 この<柿の種> はエロっぽい。 ・台風はゆっくりと 後手3四歩 : 主水 なんとなく落語の『笠碁』。 ・のろくさと広がる月夜の昆布だし :
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【 タイム食句】09・01〜09・05
9・5 秋茄子を両手に乗せて光らせてどうして死ぬんだろう僕たちは : 堂園昌彦 〜〜虚ろ陽のどまんなかでバキュームする 9・4 わたくしの瞳になりたがつてゐる葡萄 : 野口る理 〜〜つけ爪デコ
赤崎みま : 鴎外のイチョウ
2013年、森鴎外記念館での「仮象の創造」展 に出品したイチョウのシリーズが 今回<+Y GALLERY>で。 果実が芯から発光するシーンをとらえた 赤崎みまさんの写真は、 小池真理子『無花果の森』の装幀に。 鴎外の住ま
【 タイム食句】08・26〜08・31
8・31 白桃をふところに入れ大丈夫 : 糸大八 〜〜打ち身さんざん敵は身内に 8・30 割禮の前夜、霧ふる無花果樹の杜で少年同士ほほよせ : 塚本邦雄 〜〜イスラムの
【 タイム食句】08・21〜08・25
8・25 茶筒の絵合わせてをりぬ夏休み : 野口る理 〜〜紅茶の缶の象怒ってる 8・24 どう見ても肉じやがなれど肉じやがの残りと言へり今宵の妻は : 大松達知 〜〜アリバイ二三パ
【 タイム食句】08・16〜08・20
8・20 ちゆしんがひえきつてゐるかたゆでのたまごをよるのキッチンに剥く : 大西久美子 〜〜瓢亭で瓢亭玉子うち煮抜き 8・19 枝豆や三寸飛んで口に入る : 正岡子規 〜〜刺し身の
南輝子の鎮魂
8月は魂鎮め。 戦争終結後、 ジャカルタで53人の日本の民間人が 虐殺されました。 その製紙工場の責任者である若き青年は 見せしめに酷い殺され方をしました。 事件はなかったことに。極秘の判子で歴史の闇に。 それから何十年
【 タイム食句】08・11〜08・15
8・15 墓石に映つてゐるのは夏蜜柑 : 岸本尚毅 〜〜父のその父さわってやろう 8・14 冷奴ひとりにひとつわたるころ死者のはなしが生者にうつる : 外塚喬 〜〜亡きひとのホ
おっぱいは偶数のはじまりはじまり : 主水
食句塾8月例会。 兼題 そうめん・数 *そうめんをさっさとたべて瀧になる : 磯菜 落語の『蛇含草』。 男が消えて蕎麦が羽織を着てすわってた。 これは、そうめん食べた男が瀧になってた、という いとも涼しいお話である。 も
後朝や掃きて空蝉崩れざり : 小林貴子
玄関をあけると、ゴロッ仰向け一匹。 階段おりると、カサコソうつ伏せ一匹。 表通りまでに死骸は四五匹。 ここで間違いに気がつく。 いきている蝉は一匹、死骸は一個。 人間は一人。死んでも一人。魂はどう数える? 蝉の死骸の多い