食句塾。「天上のすり鉢こぼし花吹雪」「啓蟄に高層マ ンション落とし蓋」。スケールがでかい。最後に作者を 明かすと2作とも麻天茶。「糖尿やわたがしのゆく弥生 空」しみじみ玉庵。「蕗の薹小鉢所望のひとり客」翆胡。
岩田さんは宮大工であり、蕎麦打ち名人位も獲得。その 人に麺打ち台を作ってもらう。<さるすべり>と<たが や>の2本の麺棒もいただく。前から<あさだ>もある ので3本もすごい麺棒。あとないのは腕だけ。情けない。
『善き人のためのソナタ』。24時間盗聴の職務。毎回 違ったことを言って怒り出すのはシロ、同じ言葉を繰り 返し貫き通すのはクロ、と教える冷徹な導入部。デブ専 娼婦とのセックス。細部もゾクゾク。最後泣いてしもた。
信楽山工房へ。5月には穴窯なんで早よ作りに来い。水 谷健伍先生から普段のサボリを叱られる。工房シンボル の枝垂れ梅が満開。ろくろの感覚が取り戻せない、ちゅ うより元からドヘタ。苦闘の末、蕎麦徳利、湯飲、筆置。
『ラ・ベ』のシェフが独立。『デビッド・セニア』の立 地がビジネスホテルというのにおにょにょき。スタッフ はフランス人が殆ど。デビッドは陽気で小粋。カウンタ ーフレンチの快楽ここにあり。珍しく胡麻入りのピュレ。
胡麻料理『世沙弥』におく日本酒をどれにするか迷う。 今は『神亀』と『秋鹿』。『闘う純米酒』は神亀酒造、 小川原良征の日本酒再生への闘争実録。おかげで旨い 酒の時代が到来。焼酎もええけどおいしいアテなら酒。
えごま油を新発売。胡麻屋なら売ってるやろ、と探しに くる人が多いので家庭用も企画。久々に円山公園の『未 在』にいったら向付に<えごまソース>がでてきた。ク セのないたれで素材の春野菜のほのかな苦さがうれしい。
竹筆を偶然みつけた。天然の竹の先を捌いた筆先。弘法 筆を選ばず。とはいいながら空海はいい書をかくには筆 を使い分けた。そらそやろ。飛白体みたいな怪ったいな 字は筆選ばんと。竹筆やったらヘタ字が誤魔化せるがな。
花には鈍感。だけど十三公園脇の道路の枯枝に辛夷が咲 きはじめるとうれしい気分。白い小鳥たちが戯れている みたい。すぐ前の母校北野に通っていたときの記憶には ない。花より団子、団子より性欲の十代やったという事。
1994年の大虐殺。『ルワンダの涙』は最後は逃亡す る白人の苦悩。『ホテル・ルワンダ』は殺戮サイドであ りながら命を救うホテル支配人。自衛のみで殺戮を傍観 するしかない国連軍将校の視点におけばもう1本できる。