志の輔 『茶の湯』『帯久』

志の輔。
5,6年前まではよく高座を追っかけたけど、
浮気してとんとご無沙汰。

マクラの切れが悪い。
マジックのようにつぎつぎ冴え渡った小話をくりだして、
さっと本題にきりかわるスマートさが消えていた。

古典落語をそのままに、へたにいじらず、
しかし現代の感覚に翻訳するうまさが
志の輔の真骨頂。
『帯久』のネタは後半は大岡裁判。
以前「三方一両損」でその裁きの説得力の話術に
なるほどそうやと、うなったもんだが、
今回は裁判の展開が腑に落ちないまま流された。
前半の金貸しのパートでも帯屋のキャラがワンパターン。
ここは小ずるい悪役が演じどころ。

どうも、出身地富山市議会の不祥事で
ご心労でもあったのでしょうか、
ご愁傷様でした。