10・10
まだ誰もゐないテーブルこの世から少しはみ出て秋刀魚が並ぶ : 荻原裕幸
〜〜黒い腸ど真ん中に円卓会議
10・9
食慾はひよつとベンチのようなもの : 阿部青鞋
〜〜嘴太鴉魂を横取り
10・8
はてしなきおもひよりほつと起きああがり栗まんじゆうをひとつ喰(たう)べぬ : 岡本かの子
〜〜ひだひだの渋皮たぐる舌あそび
10・7
長き夜のシュークリームの貌つぶす : 河内静魚
〜〜アップデートで画面真っ白
10・6
台風の風鳴る秋夜この家の心臓のごとく冷蔵庫あり : 小島ゆかり
〜〜透析で変わる人格野分あと