1・20
雪景色共喰いする鳩を見るすぐ泣く男を信用するな : 井上敏樹
〜〜貨幣うむホモ・サピエンス金に死す
1・19
凍鶴を見てきぬ皿に肉赤き : 波多野爽波
〜〜鏡の罅の眼底出血
1・18
白鳥が湖中になせる排泄の始終を見たり水浄ければ : 島田幸典
〜〜熊楠のまなこ球体レンズかな
1・17
夫覚ますごとく煮凝揺らしけり : 山尾玉藻
〜〜まだあの人はここ隠れんぼ
1・16
ざわざわと謀叛の心きざすごと皿に盛られし丹波黒豆 : 関野裕之
〜〜堪忍袋しわしわに寡黙なり