4・20
午前一時加賀落雁の紅色の粉をはらへる紙薄じろし : 葛原妙子
〜〜なに欲しい舌の乾きの先さぐる
4・19
足あげたまゝ永久に汐干狩 : 阿部青鞋
〜〜ちちょっと馬刀貝ここなら許す
4・18
つまさきまで痺れたり青に濁る苦艾酒冥く呑みほしたれば : 南輝子
〜〜チェコより悪友はこぶアブサンを
4・17
血の如く醤油流るゝ春の家 : 攝津幸彦
〜〜発酵やめぬげんごろう鮒
4・16
寒天の底に沈める果物となりて臥しをり春の幾日を : 栗木京子
〜〜煮凝りの溶けてデロリが這い回る