【 タイム食句】 06・21〜06・25

6・25
つぶさなる胡麻かみをれば黒妖の命ひかりて過ぐる刻あり : 安永蕗子
〜〜栗鼠糞にまみれたる珈琲のあえかな香

6・24
やくそくの木綿豆腐を持ったまま : なかはられいこ
〜〜マンネリこそのお約束あり

6・23
誰も気にしてへんやろけど飯炊いて洗濯しててまだ旅に出ていない : なみの亜子
〜〜デラシネに焦がれる漂流教室育ち

6・22
ところてんすすりどこかをまさぐりぬ : 坊城俊樹
〜〜ちぢみあがるは金の肝っ玉

6・21
夕立ののち素足にて水飲めば前のめりなるさびしさの来ぬ : 栗木京子
〜〜後ずさりして遠雷と哄笑す