7・15
蜩のこえは水色 うっとりと米びつのなかに指を忘れて : 鈴木美紀子
〜〜後追いで鳴く奴がいて凹む蝉
7・14
とんかつに千切りキャベツなだれこむ : 金子敦
〜〜蝉の蛮行許してやろう
7・13
八千巻の書読み尽きて蚊の如く痩す痩す生ける君牛を喰へ : 正岡子規
〜〜老いたればコレステロール値高くせよ
7・12
ところてん突然つよく名前呼ぶ : 田島健一
〜〜スラングに慣れ巻き舌上手
7・11
いとこ死にまたいとこ死に真夜中の廊下廊下に歯をみがく音 : 渡辺松男
〜〜結界の両手ほどけばやわらかく