9・20
焼き上げし秋刀魚より抜く直線の骨美しき秋となりたり : 高橋爾郎
〜〜風葬へ灰干しの喉うず高く
9・19
草の露吸うてすげなき朝なりけり : 沼尻巳津子
〜〜さっきまでみた夢のあとさき
9・18
梨食ひて梨の時間の流れたる何ごともなきゆふべなりけり : 荻原裕幸
〜〜しりしりと恥ぢらひ肌に沁みわたる
9・17
アラーム泣く観音開きの冷蔵庫 : 大城あつこ
〜〜おおかみが来るなら闇鍋に
9・16
ヨカナーンの首もなければ古伊万里の皿はしづかに秋風を盛る : 照屋真理子
〜〜月影に猿女舞ふうちオペラする