12・25
砂のごとちんすこう崩れそのかみの琉球王国消えてしまへり : 佐藤モニカ
〜〜古層より敗者の歴史読み継がれ
12・24
人のかほおでん熱しとゆがむなり : 高柳克弘
〜〜眼球はずし目玉入れ替え
12・23
発眼の魚卵、羊歯の胞子見え 雨夜蟠るものをおそれき : 葛原妙子
〜〜黒松の白蛇睦みて舌赤し
12・22
しみじみと牛肉は在り寒すずめ : 永田耕衣
〜〜冬眠前のいきもの旨し
12・21
どこまでが季何のからだか例ふれば鼻腔の空氣、胃の中の柿 : 堀田季何
〜〜同類を憐れむ儀式白子喰い