”搗きごま”ならぬ”搗き蕎麦”

『時香忘』の蕎麦 :
http://www.ramen21.jp/photo/jikobo_p.html
木曾からご主人がこられて『植田塾』で特別蕎麦打ち講習会。
「挽いた蕎麦の香りを自慢するのはおかしい。それは挽くときに
すでに香りをにがしていることだ。だから私は蕎麦の実を擂り鉢
で押しつぶします。」

こう語りはじめた。和田萬のすりごまの製法である<搗きごま>
と全く発想が同じ。蕎麦に対する姿勢にピンを感ずるものが
あった。

いくら細かくしても粗い粒子は残る。蕎麦の食感は、ありきたりの
二八蕎麦とは同じ<蕎麦>の範疇でくくれないぐらい違う。

その夜、酒をくみかわした。いくつもの深い襞が見え隠れした。
蕎麦打ち師の異端として、活躍を祈るばかり。