藤蔵と織太夫、太棹と浄瑠璃の即興、
仕掛け合いのスリリングな興奮はライブでしか。
<奥庭狐火の段>
舞台は諏訪湖。
この夏、諏訪大社の古層に触れてきたばかり。
妙にリアルに蘇る。
藤蔵が太棹をヒュ〜とすりあげ、
ノイズ音で霊域へ誘い込めば、
織太夫は全身をねじり上げ狐火を燃えたたす。
三人遣いの人形、ソーシャルディスタンスの真逆。
伝統は伝統として、
元は一人遣い、完全に黒衣から顔出しに、とか
いろいろ変化してきたのだから、ここでまた
新しい形があってもいいと思うが。
(文楽劇場:第3部 本朝廿四孝)