野田正彰『戦争と罪責』

8月15日 敗戦日。

野田正彰『戦争と罪責』を読み始める。
戦時中、日本軍が中国で行ってきた残虐行為の告白から、
精神学者が人間の行為の精神分析。

反論として、証言者たちが中国で戦後洗脳されて帰国した
中途帰国者であるというコメントもある。
事実がどこにあるのかは、わからない。
しかし、人間が戦争状態でいかに残虐な行為を平然としてしまうこと、
いかに卑劣な人間に成り下がってしまうこと、
これのそれぞれの位相はあるにせよ、間違いない人間の真実である。

月は半分の美しい姿しか見せてはいない。
裏側を見ないで過ごしてきた戦後。
裏側が真実だとは言わないが、裏があることだけは
いつも認識の底に置いておかなければ。