訪れは音連れ

残響1秒に設計された空間では、
波紋音(ハモン)のミニマルな音のゆらぎが
ふくらみを孕んでつぎの音をまねきよせる。
さながら、天空から大海からの客人(まろうど)
の訪れに立ち会う瞬間。
訪れは音連れ、と折口信夫は解く。

演奏の永田砂知子は明治維新からの
西洋音楽の真似びに根本的な疑問を抱き、
ハモンと出会ってクラシックから解放された。

音連れによって、東洋のDNAがさわやかに
新陳代謝していくのを肌理で感じる時間。

@ 夢創館
ファサード彫刻:今井祝雄