食句塾「今回のこれ1番」第1〜100回

●第1回(1998.8.27開催)
クレパスのすいかではじまる絵日記帳 (伏兎)

●第2回(1998.10.1開催)
一ミリの十分の一を雨がゆく (磯菜)

●第3回(1998.11.5開催)
峡の湯に茸鍋と月の贅 (翠胡)

●第4回(1998.12.3開催)
黒豆やすってん天の力こぶ (伏兎)

●第5回(1999.1.7開催)
みかんむきつつ借金の話など (増湖)

●第6回(1999.2.4開催)
雲凍ててカリリカキクケ金平糖 (増湖)

●第7回(1999.3.4開催)
桜湯を飲みほし吉日晴れ女 (睡月)

●第8回(1999.4.1開催)
春寒し頭に達陀の火の降れど (翠胡)

●第9回(1999.5.6開催)
さり気なき家系の自慢柏もち (増湖)

●第10回(1999.6.3開催)
夏の雨朝の川面が鱗立ち (睡月)

●第11回(1999.7.1開催)
俎上にてなお骨切らる鱧の業 (水無)

●第12回(1999.8.5開催)
緑田のひろがるアジア午睡中 (伏兎)

●第13回(1999.9.2開催)
阿波おどり出番待ってるジベタリアン (美昌)

●第14回(1999.9.26開催)
引戸出で月光浴の蜘蛛の糸 (菜摘)

●第15回(1999.11.4開催)
押しピンの音鮮明に固い冬 (磯菜)

●第16回(1999.12.2開催)
N2つ叩き未来に“ん”ひろがれり (弥華藍)

●第17回(2000.1.14開催)
詣で人ひしめき神を呑みこみぬ (伏兎)

●第18回(2000.2.3開催)
老け猫ももとは小猫の夢炬燵 (水無)

●第19回(2000.3.2開催)
紀の浦に打ち上げられて雛の首 (翠胡)

●第20回(2000.4.6開催)
ぐい呑みをコップに替えてゴネはじめ (一計)

●第21回(2000.5.11開催)
小さき畠海士のトマトも色付きぬ (増湖)

●第22回(2000.6.1開催)
浴槽にレモンを満し死んでみる (一計)

●第23回(2000.7.6開催)
白玉やときに無口な少女の掌 (翆胡)

●第24回(2000.8.3開催)
山の夜カレーの匂いだけ動く (伏兎)

●第25回(2000.9.3開催)
石舞台リア王演じる飛蝗かな (伏兎)

●第26回(2000.10.5開催)
七日経ち鶏頭の茎切り落とす (央里布)

●第27回(2000.11.2開催)
木琴の音色の先の黄ポプラ (伏兎)

●第29回(2001.1.11開催)
篭の海老がさり厨の大旦(おおあした) (翠胡)

●第30回(2001.2.1開催)
闇雲にエキス吸いとる麩の妄想 (磯菜)

●第31回(2001.3.1開催)
カステラの軽き戻りや春の昼 (弥華藍)

●第32回(2001.4.5開催)
春陰や缶切り握る台所 (釈阿)

●第33回(2001.5.10開催)
日本語のほどけ具合や心天 (伏兎)

●第34回(2001.6.14開催)
水無月や朔日茶漬け雨を呼び (水無)

●第35回(2001.7.5開催)
青あらし如来の瓶に粒胡椒 (翠胡)

●第36回(2001.8.2開催)
いとこ煮の小豆よろしく大暑かな (奈都鬼)

●第37回(2001.9.6開催)
肩こりの女と月が銅版画 (伏兎)

●第38回(2001.10.4開催)
太刀魚の習性かくす銀行員 (伏兎)

●第39回(2001.11.1開催)
昨夜鳥だった少女菊枕 (菜摘)

●第40回(2002.1.10開催)
枯木灘風の鯨が尾をはねる (伏兎)

●第41回(2002.02.07開催)
ごぼ天の抜けし穴より覗く春 (弥華藍)

●第42回(2002.03.07開催)
啓蟄やくすくす笑う粉チーズ (一計)

●第43回(2002.04.04開催)
鯖寿司や青一色の抽象画 (翠胡)

●第44回(2002.05.02開催)
ジャスミンやドアホーンから上海語 (伏兎)

●第45回(2002.06.13開催)
シリシリと大根を摺る驟雨かな (弥華藍)

●第46回(2002.07.04開催)
蔓のばし月の光を吸うまくわうり (伏兎)

●第47回(2002.08.01開催)
一汁は土用蜆や昼ランチ (翠胡)

●第48回(2002.09.05開催)
かわきやすきゴッホの筆や唐辛子 (伏兎)

●第49回(2002.10.03開催)
死んだ人みんないい人秋果むく (伏兎)

●第50回(2002.11.07開催)
一夜花野に游ぶモカを挽く (菜摘)

●第51回(2003.01.09開催)
牡丹雪独り王国に棲む茶髪 (翠胡)

●第52回(2003.02.06開催)
眠らない街にラメ雪ビーズ雪 (伏兎)

●第53回(2003.03.06開催)
春陰の厨ちりちりじゃこを炒る (美昌)

●第54回(2003.04.03開催)
ライバルと会うわけでなし花衣> (萌緋)

●第55回(2003.05.08開催)
藤曇こしあんゆるき伊勢の餅 (翠胡)

●第56回(2003.06.05開催)
しその香の青いうねりや少年法 (伏兎)

●第57回(2003.07.03開催)
縄文の声する夜の牛蛙 (伏兎)

●第58回(2003.08.07開催)
あら切りのかぼちゃ煮る音星厨 (伏兎)

●第59回(2003.09.13開催)
肉食のフォーク濯ぐや秋の水 (翠胡)

●第60回(2003.10.02開催)
小さき堂星文訳す虫の声 (伏兎)

●第61回(2003.11.06開催)
肉桂飴風化してゆく土門拳 (伏兎)

●第62回(2004.01.08開催)
出前持ち初名乗りして劇場(こや)に入る (弥華藍)

●第63回(2004.02.05開催)
白菜や 着ても着ても着ても 冷え性 (磯菜)

●第64回(2004.03.04開催)
古本屋廃業通知春埃 (翠胡)

●第65回(2004.04.04開催)
春昼のメロンパン買う市民寄席 (一計)

●第66回(2004.06.10開催)
オーブンの固き取手や梅雨の入り (弥華藍)

●第67回(2004.07.01開催)
揚羽など黒渡りゆく池の涼 (翠胡)

●第68回(2004.08.05開催)
カーテン翻り月巻き込みぬ (弥華藍)

●第69回(2004.09.09開催)
今日ありし事独り言ち夜食摂る (弥華藍)

●第70回(2004.10.07開催)
猫多きこの下町のざくろかな (弥華藍)

●第71回(2004.11.11開催)
味噌汁に若布三百六十五日 (磯菜)

●第72回(2005.01.06開催)
不揃いの餅花見上げ蕎麦を待つ (一計)

●第73回(2005.02.03開催)
盛り塩を少し崩して春時雨 (翠胡)

●第74回(2005.03.03開催)
春風と見知らぬ物乗せ汽車の行く (弥華藍)

●第75回(2005.04.07開催)
倒産の記事の小さき菜種梅雨 (翠胡)

●第76回(2005.05.06開催)
食堂を出て万緑へつんのめる (翠胡)

●第77回(2005.06.08開催)
レシートのロゴ鮮明に胡蝶蘭 (磯菜)

●第78回(2005.07.13開催)
フライパン磨かれて父のオムレツ (菜摘)

●第79回(2005.08.11開催)
待つことを選び秋果をジャムに煮る (磯菜)

●第80回(2005.09.14開催)
石を抱く空蝉の透き通る肉 (磯菜)

●第81回(2005.10.12開催)
神無月占いの本並んでる (兎凡々)

●第82回(2005.11.9開催)
朱の椀や芋のおおぶり溶き辛子 (翠胡)

●第83回(2006.1.11開催)
海の幸大寒もろとも海苔で巻く (玉庵)

●第84回(2006.2.8開催)
凛として猫道に立つ春の日や (弥華藍)

●第85回(2006.3.8開催)
大福や朧の月を引き寄せて (玉庵)

●第86回(2006.4.12開催)
桜散る少年へハム厚く切る (翠胡)

●第87回(2006.5.10開催)
暁の雨ふくみて散りし花びらを
     晨の鹿は健やかに食む (翠胡)

●第88回(2006.6.14開催)
頭の蓋開けて殺したい蚊が二匹 (磯菜)

●第89回(2006.7.12開催)
麦茶煮るヤカン一杯寺の朝 (美昌)

●第90回(2006.8.9開催)
朝顔のゆるき三ッ編登校日 (菜摘)

●第91回(2006.9.3開催)
野分け来て琵琶かきならすみだれ髪  (主水)

●第92回(2006.10.11開催)
魚偏の雲の掠れやかな書道    (磯菜)

●第93回(2006.11.8開催)
紅うすき整骨院の冬薔薇    (一計)

●第94回(2006.12.13開催)
サクラチル少年にハム厚く切る   (翆胡)

●第95回(2007.1.11開催)
笹鳴きを残す障子や祝い膳  (菜摘)

●第96回(2007.2.14開催)
日脚伸る少し長めの見舞い客 (弥華藍)

●第97回(2007.3.14開催)
蕗の薹小鉢所望のひとり客   (翆胡)

●第98回(2007.4.11開催)
花筏背びれで触れる鯉の宙(そら) (磯菜)

●第99回(2007.5.9開催)
聖五月ケイタイ画面や棺の窓   (磯菜)

●第100回(2007.6.13開催)
大笑いして夏風邪をもらいけり (一計)