サルタヒコ、サロメ、猿女

神話。
ギリシアの総代なロマンにこころ騒ぐ。
また日本の神々の物語は遺伝子をさわがせる作用が
あるにちがいない。

アマテラスは新しい太陽神。
サルタヒコは土着の古い太陽神。
天の岩戸でストリップを舞い、この新旧太陽神の
交替の役割をしたのが、アメノウズメ。

アメノウズメとサルタヒコが夫婦となって、その子孫が
猿田彦の名前から【猿女】の氏を名乗った。
神事と芸能をつかさどる一族が猿女である。

サロメといえば、舞の褒美にヨハネの首をほしいといった
新訳聖書のサロメをすぐに思い浮かべる。
猿女もサロメも踊る芸能の憑依と呪詛に深くかかわる物語である。

そんなことをかんがえているところに、
小黒世茂の歌集が届いた。
『猿女』。
あまりの偶然におどろいた。

・木津呂より見渡す川のごんごんと千年かけて寝返りうてよ

・しろき歯もあらはに岩を咬む波は冬の須佐之男 わたしを狙へ

・うまうまとし