「ラストタンゴ・イン・パリ」におけるベイコン

40年ぶりに「ラストタンゴ・イン・パリ」を観た。

監督は「暗殺の森」のベルトリッチ。
是非とももう一度観たいとおもっていました。
当時激しいセックスシーンが話題となっていましたが、
現時点でどの程度なのか?
性表現は時代とともにどんどん開放されていきます。
芸術の衝撃度はそれに耐えうるのか?

それともう一点。
ベルトリッチ監督はベイコンの熱狂的ファンだったので、
タイトルバックに絵がでてくる、という情報を得たからです。
当時は気づきませんでした。
40年前、フランシス・ベイコンという絵描きの存在を
知りませんでした。

タイトルバックにベイコンの絵が二点。
マーロンブランドをむしろ老練の役者とおもいこんでいたのが、
実際は、精悍で冷徹な野獣のしなやかな存在。

からし色のコート、渋い青磁色のラフなVネック。
この男の衣装はベイコンの絵画からイメージしたデザインという
徹底したベイコンフェチ。
豪奢な頽廃ぶりを演じられるのは、
マーロンブランドの体臭あってこそ。

衣装もベイコンの絵からつくられたもの。