ちょっと調べることがあって
『塚本邦雄=百句燦燦』
を読み返しています。
昭和49年ですから、すでに40年前に出会った悪魔です。
高柳重信、橋本多佳子、西東三鬼。
みんなここではじめて存在を知って、
俳句の猛毒にはまっていったわけです。
ほとんど語られなくなった俳人も。
・セレベスに女捨てきし畳かな : 火渡周平
句もさることながら、名前が燦燦。
もう一人、塚本好みの名前があります。
・抽斗の国旗しづかにはためける : 神生彩史
ここまで書いて、いまハッと。
・爆弾を抱くこことして抽出の奥ダ・ヴィンチの解剖図鑑
これは、わたしの創った短歌です。
しかも第一歌集の巻頭第一首。
神生彩史の本歌取りであることに、
自分自身、いままで全く意識していませんでした。
火渡周平、神生彩史を選んだところが
塚本邦雄らしくてほほえましい、
となまぬるい雑感を言おうとして
とんだことを発見してしまいました。