しりあがり寿『真夜中の弥次さん喜多さん』と
井上ひさし『新東海道五十三次』
この2冊を同時に読みすすめました。
十返舎一九の『東海道中膝栗毛』。
1802年から1822年までの21年にわたる長期間に
43冊のシリーズ、大べストラ―本。
道化、でたらめ、ちゃらんぽらんを
時代が欲してたわけです。
ゲイのコンビ設定といい、
褌や下ネタ満載のくりかえしといい、
これが、日本文学の正統な流れにきちんと
残っていることはすばらしい。
文学者井上ひさしが、ひたすら文献資料からの
アプローチであるのに対し、
漫画家しりあがり寿の哲学的昇華はこれまた
正当な文学の流れに大きな波紋をのこす
傑作となっています。