天井画『合掌』のある湯殿山

木下晋。
瞽女・小林ハルさんやハンセン病詩人・桜井哲夫さんの
最晩年の凄絶な孤独を、鉛筆だけで崇高なモノクロ―ム
の宗教画として描きつづけている。
手をあわせただけの『合掌』。
山形の湯殿山に天井画として1990年に描いている。

湯殿山。
聖地としてたびたび登場します。
『合掌』のある天井画は、注連寺。
小説『月山』を書いた森敦が長く滞在した
真言宗のお寺です。

湯殿山は湯殿山神社のご神体。
神道の聖地です。
明治維新の神仏分離、廃仏毀釈で
湯殿山を支配していた大日坊と注連寺は
すべての権利をうしなって廃寺同然となった経緯があります。