恩田侑布子『余白の祭』

ドゥマゴ文学賞の恩田侑布子『余白の祭』。
俳句評論ですが、雪舟の「秋冬山水図」を莊子をひいての読み解きなど
美術の手さばきが新鮮。

アナホリッシュ国文学 第5号は俳句特集。
ここにも恩田の評論が掲載されています。
芭蕉をかたるのに、思想家、井筒俊彦のイスラム哲学まで
引いて、いままでにないアプローチをしています。

なお、『余白の祭』について、
関悦史が現代詩手帖の俳句展望2013で評価しています。
「言葉の描写機能に自足してしまった伝統俳句と、
暗喩のコード化に陥った前衛俳句の双方から離れて、
清新な生命の深みを探ろうとする。(後略)」