ヤマボウシの不幸

ヤマボウシの季節。

初夏の光を吸った真っ白の花が
さざなみとなってメイストームに揺れる。

花が枝枝の上につけるので、下からはみえない不幸。
さらに不幸は、ハナミズキの仲間でみずみずしい印象なのに、
<やまぼうし>の名前。

四枚の白い花びらを白い頭巾に見立て、
比叡山延暦寺の「山法師」と。
花嫁のベールにみたてておけば
「ジューンブライド」でもよかったのに。

白河法皇は天下の三不如意として、
<賀茂川の水、双六の賽、山法師>を挙げている。
よほど、憎々しげな存在であったのでしょう。
ちなみに、西行は「北面の武士」であって、
山法師ではありません。