10・5
嫌われている客として我は居き粒大粒の葡萄は不味し : 浜田康敬
〜〜種なしの傲然として居座りて
10・4
三つ食べて飽くべき栗を四つ食べし : 相生垣瓜人
〜〜域超えたれば死を待つほどに
10・3
川鮭の紅き腹らごほぐしつつひそかなりき母の羞恥は : 中城ふみ子
〜〜光の子孕む生理を訝しむ
10.2
いちじくを眠りぐすりのやうに食ふ : しなだしん
〜〜胡麻合えにして誤魔化されてる
10・1
亡きぞ佳き生きゐるからに落鮎の骨までくらひ明日を憂ふる : 塚本邦雄
〜〜指で揉み頭から尾っぽを一飲みに