4・25
みずからも滴る形のスプーンが雫をこぼす深夜の卓に : 大滝和子
〜〜串焼きの心臓、涙、セサミの実
4.24
独活を飼う父なりき敵(かたき)はありき : 永田耕衣
〜〜白アスパラの近親憎悪
4・23
酔うてきて「すびばせんねえ」をくり返す男のくねくねのうでとてのゆび : 佐佐木幸綱
〜〜ただ狂ふそこにちかづく真面目なり
4・22
春霖や君のおしつこなら飲める : 北大路翼
〜〜ことし多いね去年も聞いた
4・21
飲食(のみくひ)にかかはることの卑しさを露はに言ひし時代(ときよ)おもほゆ : 斎藤茂吉
〜〜縄文に士農工商あざなへる