5・10
筍が来てごろごろとしてゐたる : 水田光雄
〜〜獣衣(けごろも)まとひぬっそり笑ふ
5・9
ねっとりと濃く甘き闇迫りくる南の島の舌の分厚さ : 松村由利子
〜〜首筋を見知らぬ風にまかせおり
5・8
酢をたらす少し傷ある地球儀に : 倉阪鬼一郎
〜〜レシピ公開まだ隠し味
5・7
親密なそれでいてなお洗脳の製氷皿のふぞろいな水 : 加藤治郎
〜〜洪水のゆうぐれ待たず入水せよ
5・6
葉ざくらの口さみしさを酒の粕 : 安東次男
〜〜ことし花なき大樹を抱きて