7・10
茶房には青服の乙女むらがりて灯をまたたかす色ある風に : 中井英夫
〜〜煌煌とおかえりなさいメイドカフェ
7・9
シャンパン抜けば泡の中から美女が湧く : 矢崎華得
〜〜ヴィーナスの足裏土踏まず
7・8
さびしさに海を覗けばあはれあはれ章魚(たこ)逃げてゆく真夏の光 : 北原白秋
〜〜壺に残るは芭蕉の悪夢
7・7
何をしていた蛇が卵を呑み込むとき : 鈴木六林男
〜〜空也は虹の阿弥陀を吐けり
7・6
胸板のなめらかにえぐれた若者が自販機に手をついて飲みほす : 井辻朱美
〜〜意のままの筋肉おどるわびさびて