『仰向けの言葉』堀江敏幸

『仰向けの言葉』堀江敏幸

著者初の芸術論集。
とりあげているのは、
サイ・トゥオンブリー、鈴木理策、
内藤礼、ジョセフ・コーネル・・・
人の距離感
〜林檎園の主人の挙措には、町中で見かけた掲示板になにが書かれてるか
近寄りながら、あまり気のなさそうにすぐ離れていき、それでいて告知の
内容をしっかり頭に入れているというような、親しい距離感があった。

人の気配
〜どっしりとした地の匂いを漂わせながら、土のいちばん弱い部分は
けっして踏まない、そんな気配を残して、林檎園主は音もなくその場
を去った。