【 タイム食句】 02・11〜02・15

2・15
けれど私は鳥の死を見たことがない 白い陶器を酢は満たしつつ : 服部真理子
〜〜雪の夜の殺しのレシピ父口伝

2・14
われに一つバレンタインデーのチョコレート          : 行方克巳
〜〜保険おばちゃんのデカ鞄から

2・13
薬漬け飲みたり注射打たれたり二十年経ていつ漬け上がる    : 小角隆男
〜〜緩慢な自殺のできる喜望峰

2・12
春淺し止まり木と呼ぶバーの椅子               : 戸板康二
〜〜立ち飲みワイン仁王立ちなり

2・11
蒟蒻を濁らせているなつかしい風をちぎって小鍋に落とす   : 雪舟えま
〜〜海底をかきまぜ地球覚醒す