<ポテざる>は鴨せいろの王座を脅かす
正統派の流れを汲むものであり、
当然正しい作法にのっとって
頂戴しなければならない。
蕎麦前となると日本酒がほしくなるところだが、
十三駅においてはアサヒの中瓶のみ。
フライドポテトには麦酒にかぎる。それでいいのだ。
ポテトをすぐにつまんではならない。
鴨汁がうまいのは鴨の脂身がつけ汁の濃ゆい醤油味に
溶け込んでいるところがポイント。
そう、フライドポテトを蕎麦汁につけこんで、
その油分を豪快につけ汁に移さなければならない。
五切れいれては蕎麦とポテトを交互に手繰る。
またあらたに五切れいれては、その繰り返し。
ぶよぶよっとなったポテトのうまいこと。
まちがっても、蕎麦湯なんぞを所望してはいけない。
駅そばスタッフのお姉さま方は忙しいのだ。
ここで麦酒が伏線となっていきてくる。
旨味たっぷりの蕎麦つゆに残ったビールをいれる。
エメラルドグリーンのチューブわさびも
残っているから、そこできれいに溶き入れる。
あとは、友よ、
ごくごくと飲み干そう。