6・20
火の国のほむらいろなすさくらにく箸にはさまばけむりと消えむ : 堀田季何
〜〜やわらかき象の耳たぶしゃぶしゃぶと
6・19
さびしくて梅もぐ兄と睦みゐる : 飯田龍太
〜〜焼酎はやめウオッカ漬けに
6・18
夏になりて水をたくさん飲む猫よのみたまえのみたまえいのちはつづく : 小池光
〜〜ほしいほしいむき出しの欲も有るうちは
6・17
バナナの黒斑父の手に及びをり : 榮猿丸
〜〜脳味噌ザクロ真夜中に裂け
6・16
七曜の七つのかがやきおぼろなりあと五、六日眠らすメロン : 阪森郁代
〜〜五月雨に腐(くた)る姉妹熟さぬまま