メイプルソープ写真をもう何年も見ていないが、眼をと じただけで数十枚が瞬時に蘇る。タブー境界線を越境す る過激なセックスの数々のシーンがおどろしいの堕落の 感情ではなく完璧な美の一瞬として脳に記憶されていた。 『メイプル
カテゴリー: セサミ日記
プータローとフーテンの寅は系列ちがい
芭蕉は風羅坊と名乗った。風来坊からプータロー。フリ ーターとはフが同じだけで違う。フーテンは別系列か。 フーテンの寅。これは瘋癲老人日記系。貧しいプア。お ならのブー。フの空気音が自由脱力系のイメージ要因か? 『遊ぶ日本
アラカンの弾くバッハがしみわたる
食句塾メンバー、三甫さんはバイオリンを弾く。アマチ ュア仲間の演奏会でバッハとモーツアルト。アラカンの 趣味はいろいろあるけれど、これはかっこええなぁ。グ ールドもヨーヨーマもええけど、おっさんバッハが一番。 (アンサン
韓流『チェイサー』の残虐は歌舞伎の見せどころ
導入の猟奇性、後半一呼吸から酸鼻極める展開。韓流映 画は陳腐な現実を凌駕。日本は<おくりびと><悼む人> の時代。観客が映画というジャンルに期待するものは? 思うに鶴屋南北の歌舞伎の見せ場は残酷極まる殺し場面。 『チェイ
茶室はセクシュアル
碗は元来水を掬う手のひらにそって形ができたもの。濃 茶を飲み回すことは非日常で、百姓一揆の水杯にも通底 する底深い連帯への衝動か。狭くほの暗い茶室こそ異空 間であり、我で武装した意識が開放されセクシュアルに。  
遺物は語り継ぐ者のない敗者の歴史
杉本博司の展覧会。敗者の歴史が閉じこめられた古美術 と瞑想的な創造写真が長い時間軸で語りかけてくる。き ょうの歴史の勝者もあすは敗者。軸装された月面写真や テレシコワのパラシュート残欠まで並んで、範囲は無限。 <杉本博司
豚インフルエンザ感染はスラムを襲う
メキシコのスラムを新型ウイルスが襲っている。石井光 太『絶対貧困』はアジア、中東、アフリカのスラムの最 下層を寝起きした証言。感染は疾風の火のごとく広まる。 人類尊厳ギリギリのセックス。そしてヒト科は存続する。 (石井光
ダライ・ラマの継承システムは<転生>
わだまんスタッフのタケがチベット辺りに1年もいたこ とでダライ・ラマについ目がいってしまう。世襲制でも 選挙制でもない。予言をたよりに次ぎの候補者の生地を 訪ね<生まれ変わり>を探し出す。秘教ここにありの感。 (ダライ・
”ダウト”ってトランプがおもいだせない
相手を疑ってかかるより信じて騙される方がいい。はる か昔飲み屋で隣あったにこにこおじさんのシェークスピ ア学者が宣うた時は感激したが、心臓に苔がはえた今で は、ちと恥ずかしい。メリルストリープがコワイコワイ。 『ダウト』
金雀枝が風にゆれ金色の瀧のよう
街をあるいていると3メートルの高さから眩しい瀧のよ うに金の花がしだれ咲いている。切り花ではこの量感が でない。茶花は<生ける>のではなく<入れる>。野に あるように。長持ちに改良された花なら飾りたくもない。 (金雀枝)