客人あれば鶏を絞めて饗応した食習慣の記憶が妙に生々 しく蘇ってくる。鶏鳴は絞め殺す悲鳴ではなく、翌朝気 がついたら”コケコッコォ〜”が聞こえなかった、とい うきれいな処理。「黒々と土が鋤かれて鯉のぼり」菜摘。 食句塾ht
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大仙公園日本庭園は吟行に最適
吟行の条件。散策のあと適当な集会場所。清記のコピー ができる。ここの和室はおすすめです。仁徳天皇陵はじ め47の古墳と桜満開。「さくらさくらわが身に水のめ ぐりゆく」主水。花のいろはうつりにけりないたづらに。 (大仙公園
ニンニクは犯罪の匂い
食句塾の兼題は<大蒜>。「大蒜や共犯の美味目交ぜす る」「蒜酒針千本の嘘醸す」「にんにくやサド侯爵の指 で剥く」など悪のイメージの句が続出。そのせいか最終 は「看護婦の鶯餅を小走りに」の淡いスケッチが食句賞。 (食句塾)
冬土の旨み重たやもう一個/麻天茶
朝市風景の写真を見て一句。穫り立て野菜の新鮮さ。写 俳では視点の違いに個性が現れる。兼題は泡。「泡盛や おんなは入れぬ春の馬鹿」磯菜。南の男どもは車座にな っては酒盛り。あけっぴろげの陽気な馬鹿さ加減が豪快。 (食句塾)
去年今年貫く牛の咀嚼音/主水
食句塾初句会。だらだらと大晦日から飲み始めてそのま ま新年。よだれ食いの牛のような旦那を嘆きつつ平凡を 言祝ぐ家庭。「元旦の糞(まり)するためのまわれ右」 も主水。いつもの脱糞行為が新年には厳粛になる儀式に。 (食句塾)
久しぶりがほどけていく金木犀/をかし
食句塾忘年会。ことしは場所を変え三佳屋でうどんすき。 年間約500句の中でグランプリを決定する。今年1年 は主水、三甫ら新入会員がおもろい変化球をくりだすよ うになった。普通の俳句じゃ点がはいらない句会の気風。 (食句塾
「信長のヒゲ燃え残るとうがらし」主水
食句塾。兼題は唐辛子。本能寺の変で信長の死体は発見 されず。燃えあがる遺体はどこに消えたのか?直情熱血 は刺激あふるる唐辛子イメージ。おまけに髭まで変曲り 唐辛子。秋の夜長を歴史ミステリーに誘い込んでくれた。 (死体はみ
筋肉隆々の仁王は南大門で埃まみれ
食句塾、秋の吟行。東大寺。ここで昨日は布袋寅泰のロ ックコンサートがあった。お水取りの井戸脇に石榴が真 紅に燃えながら爆発寸前。震える鹿。「鹿の鹿の堂の堂 の奥の秋」磯菜。「天晴れや仁王を網に封じ込め」大象。 (東大寺・
虫食い俳句 : 食句塾
句会形式だが毎回遊びで<虫食い俳句>。「○○やたく さん息を吸ってから」池田澄子さんの上句を自分なら? 対決や、新蕎麦や、そんななか<浦島や>に一同大爆笑。 犯人はやっぱり麻天茶。発想チャネル転換の訓練に最適。 (食句塾
しのぶもじづりだれゆえに : 食句塾
季刊21号「昼寝覚手の水掻きがきえちゃった」主水。 「文字摺りの恋するたびに細く咲く」案山子。百人一首 から本歌取り。腕を上げる。句会の天は「天寿とはおも えど去年の紺ゆかた」翠胡。玉庵の読みが句を立たせた。 (食句塾)