06/10 河口から遡っても会えなくて潮の匂いで錆びてゆく腕 : 吉田恭大 06/09 パワースポットなめくぢが睦みゐる : 北大路翼 06/08 首筋にマッサージ器を当てるときだけ思い浮かぶ夏の空港 :
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【 タイム食句 ー2023 】2023/06/06~06/10
06/10 鯵というより鯖の匂いの黒子 : 中山奈々 06/09 窓磨き鍋を磨けばほんたうにするべき仕事はなになる雀よ : 川野里子 06/08 莢豌豆ひらがな覚え始めけり : 川里隆 06/07 雨垂れの音飲むやうにふ
【 アートな一句 】2023/06/01~06/05
06/05 犬のごと日に日に老ゆるモナリザやさあれヨハネが變若(をち)かへりゆく : 水原紫苑 06/04 危な絵のなかにも吊られ蛍籠 : 野中亮介 06/03 たれもかれも心尽くせり美しき廃墟を成さむための築城 : 徳
【遊行一句 −2023】2023/06/01~06/05
06/05 無尽なる大阪の地下梅雨に入る : 冨田拓也 06/04 校正しついに消しおり<南京>を虫の体液ほどのインクで : 吉川宏志 06/03 わが恋は人とる沼の花菖蒲 : 泉鏡花 06/02 縦書きの国に生まれて雨
【 タイム食句 ー2023 】2023/06/01~06/05
06/05 脳画像の白玉を棒で指しながら医師は告げたり「余命二か月」 : 笹公人 06/04 雨の日は合成できぬアミノ酸 : 小池正博 06/03 さらさらさらさらさらさらさらさらさらさら牛が
【 アートな一句 】2023/05/26~05/31
05/31 冷奴ミロが崩せばミロになる : 桃化 05/30 踊る埴輪のいくつ砕きて鎮め来し、自画像は夜の石に彫りて : 前登志夫 05/29 白馬を少女瀆れて下りにけむ : 西東三鬼 05/28 ティンパニの中に入れら
【遊行一句 −2023】2023/05/26~05/31
05/31 おほつぴらに軍服を着て進入し来たるものを何とおもはねばならぬか : 斎藤茂吉 〜『石泉』 05/30 意のままに皮を脱ぎたる太き竹 : 山口昭男 05/29 わが妻の死ににしことも羽ばたきか花みずき眼に入りて
【 タイム食句 ー2023 】2023/05/26~05/31
05/31 中腰の世界に玉葱の匂ふ : 重田渉 05/30 ただひとりの息子ただひとりの息子をもうけ塩のなかにあるさじの冷たさ : フラワーしげる 05/29 どこをどうきたのか鮎の宿に着く
【 アートな一句 】2023/05/21~05/25
05/25 資本主義社会の童話しかない国の絵本さがしてやる : 橋本夢道 05/24 青という街に迷い込む 波を聴く とある詩人の名を思い出す : 谷崎由依 05/23 火の奥に牡丹崩るるさまを見つ : 加藤楸邨 05/
【遊行一句 −2023】2023/05/21~05/25
05/25 古き夢芭蕉杜国の夢枕夏うつくしく麻畑を過ぐ : 山中智恵子 05/24 死にもしないで風邪ひいてゐる : 放哉 05/23 みづからの体のほかは知らざりし乙女にて夜々数学解けり : 栗木京子 0