鍵善良房『季楽』

あの葛切りで有名なお店の年2回発行の小冊子。風流で 美学に徹した文化誌、とても和菓子屋さんのPR誌には 見えません。編集デザインのセンスに惚れ込んでいきな り電話を。和田萬のラベルデザインを頼むようになった。

<胡麻豆腐>三昧

川越『小野食品』の爽やかな滋味。高野山『紀州前田食 品』の濃密な霊味。佐賀の『肥前とうふ』は九州ならで はの甘味が特徴。説明書きがおもろい。<ペロリン・ ペロン・クロリン・プルリン・シロリンの取り出し方法>。

たぬきの金の玉

窯だしで信楽へ。この工房には年代ものの苔むした狸が ごろごろ。『八相縁喜』が人気の素。笠、目、顔、腹、 尾、喰うに困らぬ徳利、信用の通(帳面)、そして金運 をもたらす金の玉。でかい玉袋狸を一匹大阪へ拉致連行。 &nbsp

白秋の童謡

詩人三木卓の『北原白秋』。童謡にまたびっくり。「母 さん、帰らぬ、さびしいな。金魚一匹突き殺す」「猿の 尻は真赤いな、牛蒡焼いておつつけろ」。マザーグース を翻訳したのも白秋。悪や醜の実用的な次元を越えてる。

<いらち>の血

一皿目の用意にもうちょっとかかる、いやお客さんがイ ライラしはる、とにかくすぐ出せ。『世沙弥』厨房でい つも始まる騒動。東京は30分まで待てる率が12%、 大阪人は3%。10分以内が限度。いらちは大阪人の血。