12・20
阿弖流為をここに呼びたき薬喰 : 茨木和生
〜〜鍋底の骨見分けがつかぬ
12・19
歯みがきをしているわしは歯みがきをされとるわしにつづくほら穴 : 吉岡太朗
〜〜筒じゃ筒丸太ん棒や臍はある
12・18
声やがて嗚咽や林檎手に錆びて : 岡田一実
〜〜嘘泣きあきて柚餅子風干し
12・17
ニッポンの食の現今憂ひつつ野坂昭如死せり 厳冬 : 時田則雄
〜〜柿の木を根を掘り出せば大根だ
12・16
酢牡蠣吸ふ天の沼矛のひとしづく : 恩田侑布子
〜〜塩ひとつかみほどほど懺悔