10・20
蕎麦よりも湯葉の香のまづ秋の雨 : 久保田万太郎
〜〜しっぽくあればそれと熱燗
10・19
上顎に桃の天然水触れて立ち現れる不可触の桃 : 吉岡太朗
〜〜透明のコーラでうがい吐き出し用
10・18
梨に楊枝UFOに居て正座のまま : 長嶋有
〜〜ドレスコードは蛸のグニャグニャ
10・17
鶸のごと青年が銜へし茱萸を舌にて奪ふさらに奪はむ : 黒瀬珂瀾
〜〜惜しみなく血も体液も溶解す
10・16
そして木が榠樝を容(かたちづく)るころ : 藤田哲史
〜〜さかな屋ボラの正面の貌