「ある画家の数奇な運命」

マイベスト映画に「善き人のためのソナタ」。
その監督があのリヒターを映画化したとあらば。
ちょうど世沙弥は10月にリヒターの<FLOW>に
展示替えしたばかり。
ウオホール、バスキア、バンクシー、
あたりは情報量が多いが、
ゲルハルト・リヒターは一般社会に認知度は低い。
「ある画家の数奇な運命」(こんなタイトル恥ずかしい)
原題は、Werk Ohne Autor 「作者なき作品」
リヒターの個展デヴューまでの葛藤が
ナチスの時代との濃厚接触で明かされている。
戦後20年以上ナチス時代の行為を問われて
逃げ続けた人間。
日本映画で藤田嗣治をテーマに
日本の戦争時代のひとりひとりの行為を
きちんと捉え直す姿勢が
もっともっと繰り返しあってもいい。
みな国民は沈黙を守っていれば、
時間が全て無かったことにしてくれる、
そうやって敗戦後75年のツケが
ずっとずっと蓄積されてきている。