『木田』の椅子に坐って蕎麦たぐる

蕎麦屋のしつらえはおおいに味に影響する。
並木の藪や神田の藪のような老舗の風格は
関西ではないものねだり。
かねがね『なにわ翁』の抑制のきいたしつらえは
どうだ、の嫌みもなく感心している。
豊中『木田』。まだ新しい蕎麦屋さんでご主人も若い。
にもかかわらず、あっさりといい蕎麦屋の風情を演出
している。椅子がほれぼれする。センスのいい職人の
打つ蕎麦はこれからますます進化するだろう。
気になったのはジャズ。どうしてどこもかしこも
蕎麦屋はジャズを流したがるのか。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

◆どこも夜水やうかんを切り分ける / 山口優夢