スパイの現実味、人間味

フェアウェル』。ソ連崩壊の一因となった現実のスパイ事件。
組織対組織の知的スペクタクルか、組織の冷徹な論理に翻弄される
個人の悲哀、なんてとこを予想する。ところが、現実のスパイは
人間味あふれる父親のせつない衝動から生じたものだった。
歴史はそんな風につくられる。それがイタイ。
ラストの皮肉たっぷりの種明かしめいたエピソードも
残酷味スパイスがききすぎる。ウマイ。大人の映画。

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◆秋の蚊の素通りしたる禿げ頭 / 倉橋羊村